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2004年9月25日 (土)

淀川先生をめぐる珍記事

 たまたま古い雑誌を読んでいたら、その中に珍な内容を発見しました。2002年「週刊新潮」11/14号。見出しは
没後4年「淀川長治さん」のタブー「ホモ人生」の真実。寄稿者は映画評論家の白井佳夫さん。
 淀川先生のホモ説は根強い噂として残っています。終生独身だったこと。やたら取材相手の手を握りたがったこと。また記事にも出てくるが『太陽がいっぱい』『アラビアのロレンス』のような名作と呼ばれている作品に含まれている「ホモ」的な描写に関して、鋭い分析をすることなどがホモ説に信憑性をもたらす事実として語られます。私はもちろん真実はわかりません。しかし私はどちらでも構わないことです。少なくとも性的な嗜好で、その人の業績の価値が変わる物ではないと思いますし、むしろそういうセンスのある人の方が芸術の世界では、才能を発揮しやすいと考えています。
 しかしどうしても気になることがあります。それはなぜ白井佳夫氏が、記事を寄稿したのかにあります。私には白井氏の意図がわかりませんでした。白井氏はかつてキネ旬の編集長をしており、キネ旬の充実期を作り出す一端を担っていた人です。ジャーナリスティックな視点をきちんと持っていて、著作にも読み応えのあるものが多いです。もちろん週刊新潮の意図もあるでしょうから、白井氏の原稿とは本来の意図とは違う物だったのかも知れません。しかし白井氏が書いた記事としては、この思い出話に毛が生えた程度のものはあまりにもレベルが低いと思いました。いまだにホモであることがセンセーショナルな扱いになってしまうという部分にも納得がいかない部分を感じると同時に、映画ジャーナリズムの衰退を、またここで感じてしまいました。
 近年日本では映画人に関する評伝というものが減少しています。取材によって映画人をきちんと分析するという作業をする映画ジャーナリストは壊滅状態です。淀川先生を第三者の目できちんとみつめるジャーナリストは登場するのでしょうか?せめて彼の残した原稿類をアーカイブとしてまとめる作業をしてくれる人が現れることを待っているのですが・・・・。

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2004年9月23日 (木)

IMAXの今後

『スパイダーマン2』全国3館のIMAXシアターにて公開決定

『スパイダーマン2』はアイマックスだと、どういう印象になるのかには興味がある。『マトリックス・リローデッド』は疲れただけだったが(笑) 劇映画のアイマックス上映自体は、比較的最近目にするのだが、このように新作とは呼べない状況では、客入りは期待できないと思う。また肝心なアイマックス専用作品がなかなかみあたらない。今秋DVDでリリースされる『アラジン』も、『美女と野獣』『ライオン・キング』と同様に本当はアイマックス上映後だったはずなのですが・・・。

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2004年9月21日 (火)

お台場映画王の存在意義

 この夏、フジテレビがお台場で行っているイベントの中に「お台場映画王」というものがありました。新作・旧作取り混ぜて約40本。中にはスニークプレビューや『24』、『ロード・オブ・ザ・リング』の一挙上映などという企画もあり、なかなかの盛況ぶりだったようです。その中に実は映画史をひっくりかえしかねない(?)インパクトの強い企画がありました。『スター・ウォーズ・トリロジー』の旧3部作特別編一挙上映です。
 実はこの企画、意外かもしれませんがありそうでなかったもので、オリジナル版でもなかった初の試みでした。ルーカスフィルムも公認したこの企画。でも結局私は出かけませんでした。理由はただひとつ。いくら劇場でみられるとはいえ、シネマメディアージュのシアター11ではあまりにも小さすぎませんか? 私はオリジナル版も特別編も、奇跡的に日本でもトップクラスの映画館で旧『帝国の逆襲』をのぞいてみられたことを誇りに思っています。

オリジナル版
新しい希望:中日シネラマ劇場(日本最大のスクリーン面積、スーパーシネラマ方式)
帝国の逆襲:エンゼル東宝(これのみ70ミリ版でみられなかった!)
ジェダイの復讐:有楽座(70ミリ版)

特別編
新しい希望:WMC海老名7(THX)
帝国の逆襲:WMC海老名7(THX)
ジェダイの復讐:WMC茅ヶ崎、渋東シネタワー1(だってこれだけWMC海老名7での上映がなかったんだもん(涙))

 やっぱりこの映画は大画面でしょう。せめてこの作品だけでもメディアージュの1とは言わなくとも、2ぐらいにならかったかなあ。ある意味ファンも正直で、これはチケットが即完売にはならなかったようです。(『ロード』三部作などは大変な人気だった)
 「お台場映画王」の企画自体は、すごく歓迎します。東京ファンタが映画秘宝と組んだことで(悪いことではないが)すっかり間口を狭くしてしまい、東京国際映画祭が迷走を続ける中で、映画のおまつりとしてはなかなかよい企画が並んでいたと思います。ただ出来うることならばキャパシティを考えて欲しいです。来年も一挙上映もの、期待しています。(そういう企画の一般公募なんてどうですか?)

さあ、明日はいよいよSWトリロジーの店頭入荷日ですね!

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2004年9月20日 (月)

『ヒート』

 BS2でマイケル・マン監督の『ヒート』をやっていました。ほぼ中間点、白昼の銃撃戦より、やや前からつけたのですが、思わずそこから見てしまいました。マイケル・マンのお話は何と言ってもスタイリッシュな映像、そこに濃密なディテールが加わることでリアルなドラマを構成させる点に、凄味があります。作品自体は大したことがない『ザ・クラッカー』ですが、あのオープニングの金庫破りのシーンは、タンジェリン・ドリームの音楽とも相まってかなりしびれました。『刑事グラハム』のビデオをみながらの推理シーン、後から作られた『レッド・ドラゴン』なんか、どっか行けの迫力。この映画も2大スターに目がいきがちですが、実は脇を固める役者陣の充実が、ちょっとしたエピソードにリアリティを与えています。(余計に思える話も、まあ、あるにはあるのですが)かといってアンサンブル重視な人ではなく、キャスティングには、あまり一貫性は感じません。はっきりいっていつも女性陣なんか、添え物程度の役しかないですね。(『ラスト・オブ・モヒカン』は例外)そのバランスが狂ったり、変に自己主張(意図するしないは別として)してしまうとダメなのでしょう。『ザ・キープ』とか、『アリ』とか。
 来月ハイビジョンでもオンエアされます。今回のオンエアは画質的にはあまりほめられたレベルではなかったので、そっちのオンエアは楽しみです。

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2004年9月17日 (金)

食玩恐るべし!

1095689193 大人の方でもはまっている方も多かろう食玩。とてもおまけと思えぬものが多く、私も集めてしまうことがあります。企画自体が秀逸な物が多いのですが、映画ネタでうわーと思ったのがこの黒澤明。話には聞いていましたが、近所で扱っているお店がなかったので探すつもりもなかったのです。しかしたまたまミニストップで偶然にも発見。購入してみました。これがなかなかの出来映え。『用心棒』『椿三十郎』編ということで、7種14パターンのラインナップ。製作は天下の海洋堂ということで、造形も見事でした。特に黒澤明監督と、加東大介は笑っちゃうぐらいの見事さ(フィギュア向けの外見??)。また同梱されているリーフレットが充実した内容。ヤフーのオークションで全部揃えてみようかなと思いました。

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2004年9月16日 (木)

REX-Link1

(前日より続きます)

 パソコンで音楽を再生しない理由のひとつに、その機器類の貧弱さにあります。一応ALTECのスピーカーですが、どう考えても音楽を聴くというレベルではない。そこで前から気になっていたのがラトックが出しているREX-Link1という商品。これはワイヤレスでコンピュータで再生している音声信号をコンポにとばすというもの。今まで似たものとしてFM電波に変調するものがありましたが、これがユニークなのがUSB接続の送信機から受信機までの電波が無線LANで使われている周波数帯を利用したもので、さらに受信機からコンポまではデジタル接続でいける点。事実MP3再生でも充分聴ける音質で、音切れもほとんどありません。機器が小さいのも◎。
 というわけで久しぶりにBGMを楽しんでいる時間が増えました。この機器はかなりおすすめです。(ちと高いが)

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2004年9月15日 (水)

iTunes最高!

 最近使い出したものの中に、iTunesというソフトがあります。もともとは最近大人気の携帯型プレイヤーiPodのためのものでパソコンでの音楽ファイルを再生するプレイヤー兼管理ソフトです。しかし私は基本的にパソコンでは音楽は聴きません。音は貧弱だし、聴くならコンポの人。そもそも今までも、そういったソフトの類で使いやすかったものにお目にかかった試しがないのも事実。また外出時にそう言った再生機器は持ち歩きません。(なんてたって自転車通勤) 唯一の例外は車ぐらいでしょうか。
 ところが。このソフトは違いましたねぇ。iPodはなくともプレイヤーとしてもかなり優秀。曲目はあらかじめネット上に登録済みな物が多く、驚くことにブートレグや、サントラのプロモ盤。はたまた私がLPレコードからCD-Rに焼いたものまで曲目リストがあった!(ということは同じ事をしている人がいるということ!) さらにうれしいことに私が自分のお気に入り度を入力しておくとそれらのデータをもとに曲をチョイスして再生してくれること。CDをとっかえひっかえする手間がなく、エンドレスで音楽を聴いていられるというのは、なんと快適なことでしょう。
 数日がかりで所蔵するCDをパソコンにMP3化して取り込みましたが本当に快適です。そしてそれをさらに快適にするグッズを手に入れたのですがその話はまた今度。

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2004年9月 8日 (水)

いいのか、それでDVD『BTTF』!

 やや古い話で恐縮だが、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のDVD-BOXをめぐる話で、画角が違うという話がありました。いつもでしたら確認するのですが、これはどう考えても不良品だと感じたので、すぐに交換。見比べる機会はなく、ネット上での映像ででしか知りませんでした。先日久しぶりにLDを再生する機会があり(そう、SWトリロジーに向けてですな)、ついでに眠っていたBTTFを再生してみた。そこを見比べた感想としては、これは何度もみていたファンにはやはり許せない出来事なのだと思いました。
 ユニバーサル絡みのDVDに対する不満はいろいろな作品に対してあるのですが、このBOXにもありました。待望のBOX化、にもかかわらず限定版で出す神経もわからぬが、結局再プレスする無神経さもわからぬ。映像特典もあらたに掘り起こされたものはあまり多くない。一部サイトの掲示板で話題になった字幕の不揃いも、プロジェクターユーザーには気になるかもしれない。まあこのあたりが商品の仕様だと言われればそれまでなので百歩譲って、目をつぶるとしよう。
 しかし。
この画角問題は本質が違います。これは作品に関わる問題だし、わずか数分とはいえ、私には単純な作業ミスに思えてならないのです。以下は推測ですが、
 この作品はスーパー35。スタンダードサイズで撮影し、そこにマスクをかけて劇場ではビスタ上映となる。ところが何を考えたのか、問題の場面はビスタサイズの画面にビスタのマスクをかけたようになっている。(興味がある方は、自分でフレームを作ってやってみましょう(笑)) 少なくともこのフレーミングにオリジナルから変えた制作者の意図は感じないし、逆にこのフレーミングがよいと感じたならばある意味、美的に大問題だと思います。無償交換は私から言わせれば当たり前です。
 別件をついでに。
以前PART1のLDやビデオ版にあった、ラストにデロリアンが飛んだ後の"to be continued"がなくなった。このテロップ、元々劇場公開時にはなかったもの。ここまでくると、どんなマスターを使って制作したのかを邪推したくなるというのが人情。それがメーカーとユーザーの信頼関係なのではと思います。メーカーの姿勢をユーザーはみています。

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2004年9月 3日 (金)

忙しい時に限って

 忙しい時に限って、BSやCSの映画に見入ってしまうことがあります。そうやって出会った中に『ガタカ』や『ウィッカーマン』などの大当たりがあるので、なかなかあなどれない確率です。で、6月にNHK-BS2でやっていた大林宣彦の『風の歌が聴きたい』を録画しつつも、前半部に見入ってしまいました。大林作品が結構好きな私も、どうも近年の冴えない部分に愛想をつかしてしまったところがあり、実は積極的にみていませんでしたが、この作品は(少なくとも前半は)なかなか見応えがありました。聴覚障害者の話し方を天宮良がした時には少しドキッとしたけど少なくとも嫌みには感じませんでしたし、いつも大林作品とは画調も微妙に違って、後半に興味津々(さすがに疲れて途中でやめました)。先日WOWOWでやっていた宮部みゆき原作の『理由』も少しみる気が出てきました。

でも天宮良の高校生役にはつらいものがあるかも(汗)

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2004年9月 2日 (木)

DVD-Rブランクメディア

 DVDレコーダーを購入して、はや1年。本当に便利で、今までのライブラリーの移行もかなり進みました。しかしいろいろとやってみてわかることも多い物で最近頭が痛いのはメディアのこと。みなさんはどこかひいきのメディアはありますか?
 VHSの頃はFUJIとTDKを使っていましたが、DVD-Rは、まずプリンタブルであることと、さらにスピードも4倍速のものを選びたい、そしてケースは絶対に薄型にしたいという理由もあって、信頼性の部分でもマクセルを選んでいます。ところが安いものがあると試したくなるのが人情というもの。実際つける物の方が多いのですが、今回買った物はダメ。とにかく認識が悪く、ひどいものはファイナライズすらできない。こうなると結局手間が増えてしまう結果となります。でも値段は高い。ちりも積もればそれなりの値段差になる。

うーん、やはりある程度の信頼料は必要か。でもやっぱり高いよなあ。みなさんのお気に入りのDVD-Rメーカーはどこでしょう?

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2004年9月 1日 (水)

心機一転

 今日から日記の形式を変えました。とにかくサイトの更新まで手が回らず、書きたいことはたまるの悪循環をなんとか
解消したかったのです。というわけで、今度はこちらをよろしくお願いします。
 最近我が家の環境で大きな変化はCATVをデジタルのSTBに変えたこと。受信チャンネルも増えましたし、画質もよくなりました。また電子番組表って凄い!と思いました。完全なデジタル環境に移行するには、まだまだ魅力がないのですが(コピーワンスを嫌ってWOWOWは未だにアナログでアンテナ受信)、双方向の番組も面白そうで、いろいろ参加してみようかと思います。

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